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中国経済
中国経済 : 中国の輸出と人民元切り上げ
投稿者 : hiropon 投稿日時: 2007-12-28 00:26:36 (1421 ヒット)

中国がGDPにおいて10%前後の成長を続けてきた原動力とも言うべきものが、中国から海外への輸出です。特に中国の輸出依存度は年々高まってきており、既に中国の経済成長に欠かせないものとなっている事が伺えます。

中国の輸出依存度を輸出額/GNPとして計算すると、輸出依存度は以下のような数値になり、確かに年々高まっていることが分かります。

年 輸出依存度
2000 21.1
2001 20.4
2002 22.6
2003 26.8
2004 30.8
2005 33.9
2006 36.9
参照:蒼蒼社HP内部レポートより


輸出依存度の高まりは、中国の大幅な貿易黒字を生み出しています。最新の大和アセットのレポートでは、1−10月の貿易収支;前年比59%の増加というタイトルが付けられており、貿易黒字が約23兆円に達したと書かれています。この貿易黒字は、人民元の切り上げ圧力となっています。

現在、米ドルに対して上昇している人民元ですが、ユーロに対しては逆に低下しており、ユーロ圏に輸出を加速させる要因ともなっています。現にユーロ圏との貿易額は拡大しており、昨年に比べても27.5%増と高い伸びを示しています。しかし、好調な欧州景気を背景として欧州はそれほど強硬に要求しておらず、むしろ貿易赤字に苦しむ米国(ポー
ルソン米財務長官)などから大きな圧力を受けているようです。

貿易黒字がこれほど大きな数値になってくると、中国は更に大量の外貨を溜め込む事になります。大量の米国債を買いこんでこの外貨を運用してきた訳ですが、それでは人民元が上昇する事が見込まれる中で利回りが悪く、結局は外貨運用会社として中国投資有限責任公司を作って世界中で運用する事になりました。

貿易黒字が大きくなり、外貨を溜め込む構造は日本でも同様に起こっており、日本も外貨準備を大量に抱えている国家です。ただし、中国の場合に日本と異なるのは、人民元の変動幅が小さいので、それが調整されにくい構造を持っているという事です。中国から米国への輸出が大きい事で米国が貿易赤字を抱えても、中国は人民元を簡単に切り上げようとしません。

中国は経済成長を輸出によって成している面があり、輸出にマイナスになる人民元切り上げは避けたいところなのです。そうは言っても、人民元は切り上げ圧力にさらされています。そこで中国政府は人民元を一生懸命に売る事によって、人民元高を押さえ込もうとしています。しかし、売られた人民元は市中に出回って人民元が余る事によりインフレ圧力となっています。

中国政府は経済に影響が少ない形でこの人民元を何とか吸収しようと毎年6,000億元もの債権を発行しています。更に今年は、中国政府が全額出資して外貨運用会社として中国投資有限責任公司を設立します。この時に中国政府が年間発行する債権の2.5倍ともなる1兆5,500億元の特別国債を財政部が3回に分けて発行して、市場から人民元の吸収します。中国投資はこの人民元資金を使って中央銀行から2,000億ドル分の外貨準備を購入します。結果として中央銀行に人民元が流れ込んで資金が吸収出来るという訳です。

インフレが起これば、インフレを押さえ込む為に金利を上昇させなければなりません。しかし、やみくもに金利を上昇させれば、外国からの資本流入を招く結果となり、更なるインフレとなってしまいます。これ以上の金利上昇による経済の引き締めは、リスクを伴うものとなっています。

ただし、大幅な人民元の切り上げを行った場合には、中国の得意とする輸出が突如として鈍る事が警戒されます。輸出が突如として鈍る事になれば、中国は経済成長を維持出来ない可能性があります。輸出が鈍るだけではなく、外国から流入していた外資の工場などが諸外国に撤退する事になります。そうなれば、失業者などが増加して経済に悪影響を及ぼすでしょう。

資本の流入を保ちつつも経済を引き締めるには、現状のように金利を引き上げながら人民元を切り上げる方法が良いと考えます。この方法では、魅力的な金利で資本の流入が起こり、人民元の切り上げによって資本の流出が起こります。しかし、経済成長のスピードがこうした想定以上に速くなっているのが現実でしょう。

蒼蒼社HP内部レポート
http://www.mmjp.or.jp/sososha/pdf_file/5bu_jhand_07.pdf

大和投資信託
http://www.daiwa-am.co.jp/doc/mktinformation/china/cinfo_20071211_1.pdf

中国の外貨準備運用会社の設立とその影響 発行日 2007年11月16日
http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/china-research/topics/2007/no-65.html

外貨準備を考える−受取利息分は積極運用を
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/ito/05.html

みずほアジアインサイト 2007年8月発行
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/asia-insight/asia-insight070803f.pdf


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